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ジョセフ・クラフト 特別レポート

日銀が定める10年金利バンドは上下0.20%では無い・・・

掲載日:2018年11月20日

私を含め多くの市場関係者は、日銀が定める10年金利の操作幅が(0%から上下)0.20%だと思っている。実は、10年金利バンドが上下0.20%では無く、0.25%である可能性を指摘したい。この見解が正しければ、金融市場が織り込んでいる以上にイールドカーブは更にスティープ化する余力を残していることになる。この根拠は以下の通りである。

これまで、黒田総裁は現状幅とされる0.1%の2倍(0.2%)に広げると言及したとの印象が強い。しかし、「7月31日の金融政策決定会合における主な意見」文を再確認すると、10年操作金利幅に関して「倍」では無く、「倍程度」と明記してある。さらに金利操作にあたっても「±0.25%程度」と明記してある(下記参照)。日銀執行及び政策委員の見解は10年金利幅は0%から上下0.25%まで許容できると考えられる。長期金利の上げ幅が急激過ぎれば、市場安定目的のため0.20%で指値を入れる可能性はあるが、正常な上昇ペースであれば日銀金融市場局は0.25%に指値オペを決行すると予想する。

「金融政策決定会合における主な意見 (2018 年 7 月 30、31 日開催分)より・・・」

・長期金利の変動幅については、「イールドカーブ・コントロール」 導入後の金利変動幅、概ね±0.1%の幅から、上下その倍程度に変動しうることを念頭に置くことが適切である。

・長期金利操作の弾力化は、市場機能の維持・向上に資すると考えられる。現状より金利が幾分上昇しても、経済・物価への影響は限定的とみられる一方、金融仲介機能への累積的な影響の 軽減と政策の持続性強化に効果が見込まれる。主要国の足もとの長期金利の動向を参考にすると、わが国の金利操作にあたっても±0.25%程度の動きを許容することが適切と考えられる。

・長期金利の変動幅として、概ね±0.1%の幅から、上下その倍程度に変動しうることを念頭に置くことが大方の委員の合意とな るのであれば、記者会見でこれを明らかにしてはどうか。

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

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