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提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社


国際通貨研究所理事が国際経済の仕組みを解説します。
国際経済を知ることで、為替市場の見方が広がる!
この機会に、一歩踏み込んだ分析力を身に着けるために
勉強してみましょう!
 



第64回『来年2018年の世界経済の目点、相場見通し』

Q: 来年2月に就任するパウエルFRB新議長の金融政策、税制改革法案による米企業収益、米国経済への影響、一方欧州では英国のEU離脱のほか伊の総選挙も予定されています。
先生の視点から「来年2018年の世界経済の目点、相場見通し」などについての考えをご紹介していただければ幸いです。


A: 例年に比べると2018年の世界経済のリスクファクターはかなり列挙し易いような気がします。とはいえそれはリスクが、いつ、どの方向に向かうか、などを判定できるという意味ではありません。手掛かりとなるデータとそこから予期できる兆候を早めに掴んで、それに対するヘッジ手段を講じることが金融に携わる者の務めと弁えるべきでしょう。今回は米国と日本に的を絞って論じましょう。


Q: ブルマーケットの屈折点は?

A: まずは米国の景気拡大基調の持続性が2018年最大の関心事です。
下記表に見るように過去80年間のデータでは米国経済は現在史上第3位の長期景気拡大を続けており、その勢いは米国エコノミストのコンセンサスでは少なくともあと2四半期(6か月)はもつだろうと見られています。とすると現在の景気拡大は史上第2位に躍り出る可能性が高い訳です。

《 過去5回の最長景気拡大期 》
景気の底    景気のピーク        持続期間   
1938年6月    1945年2月      80か月    27四半期
1961年2月    1969年12月      106か月   35四半期
1982年11月    1990年7月      92か月    31四半期
1991年3月    2001年3月      120か月   40四半期
2009年6月  〜2017年11月続行中〜   100か月   34四半期
では屈折点のきっかけとなる出来事は何でしょうか?国際情勢や地政学的リスクは別として、国内事情から考えられる要因は次の数点に絞られると思われます。

@ FRBによる利上げペースとタイミング
A トランプ政権運営挫折の可能性
B 対GDP民間部門負債比率の変化
C 資産価格高騰のゆくえ

これらのうち@は今回のJay Powell FRB議長就任によってかなり安定感が得られたと見られてはいますが、GDPギャップやインフレ期待の読み方を誤る(あるいは曲げる)リスクは残っています。そこへトランプ政権による政治的圧力という不確定要因を加えるとなおさらです。12月13日のFOMCで6か月ぶりの利上げ(+0.25%)が決まり、2018年に3回、2019年に2〜3回利上げのスケジュールまで発表されたので、今後金融市場がこのスケジュールをどのように受け止め消化していくかを見守ることが重要です。この点に関しては今後の雇用統計と物価統計から目が離せません。

Aトランプ政権の当面の目玉である法人税率20%への引き下げ案は、12月12日のアラバマ州での上院補欠選挙で民主党が従来の共和党地盤を覆したことから、減税法案のゆくえが若干危ぶまれる事態となった。このこと自体が決定的ではないものの、北朝鮮問題を巡る政権内の不協和音など金融市場ひいては景況全般に悪い影響を齎すことが懸念される。しかし減税そのものは21%で実現されるでしょう。それが現在の景気拡大基調の支えになっているわけです。残るリスクは、ロシアゲートを含めた外政的リスクでしょう。

Bの民間部門負債比率はリーマンショック直前の対GDP比180%超から現状160%まで改善されているものの、ITバブル崩壊が始まった2000年の140%から見れば20%ポイント(4兆ドル弱)も高止まりしており、それが折からの超低金利の煽りをうけてC資産価格バブル形成を助長しているのではないかとの懸念を生んでいます。これほどの過剰流動性が自社株買戻しやM&Aの資金に回っていることが懸念されます。高止まりしているレバレッジに今後の利上げトレンドがどのように影響するかが要注意点です。

CFRBイエレン現議長は「資産価格は高騰しているが、必ずしも過大評価ではない」とコメントしていますが、高騰が続くとこれまでの幾つもの事例が示しているように必ず何処かでバブル化してそれが弾けるというコースを辿ることになります。その見極めが極めて重要です。

特に金融市場では価格が下がると買い戻すという言わば無分別的な投資が続いており、海外金融市場で多少のデフォルトがあっても伝播しないだろうと楽観視する向きが主流となっています。中國の負債比率が維持不能と見られながらも、それすらも米国市場には波及しないと見ており、いつも乍らこのあたりの自己満足感がむしろ気懸りです。

今後各主要中央銀行なかでもFRBが政策正常化に動くのでそれが資産価格に不確実なインパクトを与えるおそれは充分あります。それが来年の一番の心配の種です。景気拡大期が終わるとすればその時でしょう。トランプ氏もそれを懸念して金融政策正常化にあたって穏健派のJay Powell理事を議長に登用したと見られています。



Q: 米国の株価は既にバブルか? 

A: そこでまずは現在の米国株価が過去のデータや経済合理性から見てバブルの域に踏み込みつつあるのか、という難題について見ておかねばなりません。


株価収益倍率(P/Eレシオ)には100年来の不文律「10倍なら買い、20倍なら売り」があり、現代では「売りゾーン」はそれよりはかなり嵩上げ(たとえば25倍)されています。現時点でS&P500の調整後P/Eは28倍超(グラフは調整前)でそれは前回ITバブル崩壊が始まった2001年ころの水準に近づいており、そろそろ警戒水域にあると見られます。そこからCPI(たとえば1.5%)を差し引いて実質化する見方ありますが、P/Eは分子分母ともに名目価格なので既に実質化されていると見るべきでしょう。

FRBイエレン現議長の「過大評価ではない」との表現は株価の続伸を指すのではなく、企業収益の伸びしろに期待を寄せたものと見るべきでしょう。


Q: リセッション入りの予兆はまだ見えない? 

@ 米国景況の決め手は家計消費(GDP総需要の約7割)の動向にあるが、2018年は少なくとも1.5〜2%の伸びが見込まれリセッションの引き金とはならないと見られています。家計支出のなかでも耐久財・住宅・非住宅設備・ソフトウエアなどへの支出は対GDP比で19%を占め、リーマンショック直後の16%から3%ポイントも上昇しています。この部分の消長を注意深く見ていくことが大事です。

A また過去60年のデータによれば、リセッション入りに先立ち国債(10年国債金利マイナス3か月国債金利)の利ザヤ・イールドカーブはマイナスになるが、現状下降傾向にあるもののまだ1%(100ベーシスポイント)以上のプラスを保っており、トレンドとしてもゼロに達するのはかなり先と見られる。


B Conference Boardの景気先行指数の変化率は、過去60年のデータではリセッション入りの時期を除けば前年比0〜10%のレンジにあり、現状は5%からさらに上昇基調にあって安定している。

以上これらの主要指標から見てリセッション入りの予兆はまだ見えない。

【米国中小企業の見方 】


ここで中小企業家の見方を見ておくことも大事です。


全米独立事業者協会(NFIB)の最新の調査によれば新規雇用計画は過去40年間で最高水準にあり、トランプ政権発足後の極めて急激な上昇(15%)が目を引きます。業界としては建設業、製造業、専門サービス業などに跨っており新政権への期待が極めて高いことが分かります。
それは今後の売上期待に支えられていることは明らかです


こうした中小企業の強気の見方は冒頭に述べたエコノミストのコンセンサスとも合致しており、他に有力指標であるConference Boardやミシガン大学の景況指数とも矛盾はしていません。


Q: 日本の景気拡大は続くか? 

米国景況の長期持続と並んで我が国景況にも漸くデフレ脱却の目途が付きはじめた。今回の景況は「いざなぎ景気」をも超える戦後2番目の景気拡大期ともいわれ、主要企業の景況感の改善に支えられています。これがもし2019年1月まで続けば戦後最長になる訳で、今のところその公算は決して小さくは無いと見られています。しかし何処かに落とし穴はないのか?

@  現在検討されている税制改革路線は「再配分的」色彩が強く、トータルにみて財政健全化路線にとって有害とは言えない。再来年秋に想定される消費税10%への上げに対する家計消費動向の反応が大きな懸念材料ではあるものの、来年の日本の景況にとっては海外の景況などの外生的リスクのほうが大きいと見ていいだろう。

A その最たるものがやはり円相場の動向だろう。

2017年中は日米長期金利差が余り拡大せず、期待インフレ率にも著変がなかったので、円安はさほど進行しなかった。しかし2018年にはそうした安定は崩れるだろう。FRBはバランスシート正常化へ着々と向かうのに対して日銀は不変で金利差は拡大する。また円は主要ファンディング通貨として世界の投資家は円ショート・ポジションであり、いったん何らかの巻き戻し事態が市場で発生すれば直ちに買い戻される。海外投資家からみて円はポートフォリオ・ヘッジ通貨として「有事の円高」の宿命にあり、それが度を過ぎれば日本の景況の腰折れ原因ともなりうる。

B 金融政策にとっては次期日銀総裁の人選が気がかりではあるが、安倍政権が安定している限りは大きな懸念材料になりえないだろう。

C 最後にビットコイン・バブルのインパクトが懸念されます。ことにビットコイン市場における日本のシェアが4割とも報じられ、また市場時価総額がトヨタのそれを抜いたとも言われているので、そのバブル崩壊時のインパクトは決して小さくはなく、要注意と思われます。


Author
本田 敬吉(Keikichi Honda)

1959年東京大学法学部卒業後、東京銀行入行、常任参与チーフエコミスト。サン・マイクロシステムズ株式会社など数社で会長を務めた後、日本経団連OECD諮問委員長を引きうける。現在経団連顧問、かたわら財団法人国際通貨研究所理事として、為替市場の分析を行う。