暗号資産市場レポート

ボラティリティは低下、調整モード

2022年04月05日 更新

先週の動き

  • ●主要暗号資産は、レンジブレイク後の調整モード
  • ●月末・期末・四半期末の売り要因により先週は下落
  • ●DOT(ポルカドット)とLUNA(ルナ・テラ)がアウトパフォーム
  • ●インプライド・ボラティリティは重く推移し、スポット価格とボラティリティの相関性は低下

先々週レンジブレイクし48,000ドルまで上昇したビットコインは、調整モードに入り先週の金曜日には44,200ドルまで反落。イーサリアムは、イーサリアム2.0統合への期待に加え、アーサー・ヘイズ氏の「イーサリアムは、いずれ永久債の様に評価され、現状のスポット価格の100倍の価値があるかもしれない」と主張した記事もあってか、3,580ドルまで大幅に上昇した。また、SOL(ソラナ)とLUNA(ルナ・テラ)も大きくアウトパフォームし、一週間で20-25%程の上昇を記録した。

売買動向を見ると、ビットコインとイーサリアムの売りが優勢であった一方、SOL(ソラナ)、LUNA(ルナ・テラ)、DOT(ポルカドット)には強い買いが見られた。また、XTZ(テゾス)には、強い売りが見られた。顧客カテゴリー別では、HFT・マーケットメイカーが買い越しになっており、海外取引所と個人からは強い売りが見られた。地域別に見るとでは、アジア圏において売りが優勢であった。

暗号資産先物市場においては、ベーシスは上昇後に落ち着きを取り戻し、3ヶ月物ベーシスは5~6%で推移している。 OTCレンディング市場動きは、依然として低水準であった。

オプション市場においては、ボラティリティは、先週金曜日のスポット下落に伴い一時的に上昇した局面があったが、下落基調に変わりはない。また、3カ月物オプションの出来高が2週間物より減少している理由は、スポット価格40,000ドル半ばでのオプションの供給よるものと思われる。3ヶ月物ビットコインのATM のボラティリティが、2019年3月以降、60%を下回る機会がほぼないことを考慮すると、6月物ATM(アットザマネー)のボラティリティが50%台後半まで低下してきていることは、中期的上昇を見込むプレイヤーにとっては、オプションを買うチャンスになるかもしれない。

今後の展望

今週は、4/6(水)にFOMC議事録、4/7(木)にECB理事会議事要旨が公表されるほか、FRB高官の発言が予定されている。しかし、5月FOMCの0.5%利上げが織り込まれはじめており、更なる動きを期待できないかもしれない。一方、4/6(木)~4/9(金)にマイアミで開催されるBitcoin2022に、暗号資産市場は注目している。また、テクニカル的には、ビットコインの44,000ドルとイーサリアムの3,200ドルのサポートをホールドできるかに注目していきたいところだ。

提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。

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