Column

2020年10月20日 更新

BitMEX提訴に続きOKExに捜査?DeFiも大丈夫か?

日曜日に鬼滅の刃の映画を見に行ってきました。本来であればお天気が悪かった土曜日に行けばよかったのに日曜日にしたのには理由があって、今回の映画はTVシリーズの続編で、そのTVシリーズの特別編集版第2編「那田蜘蛛山編」が土曜日にTVで放映するからです。土曜日は先週放映した第1編「兄弟の絆編」をDVDに落として車の中で見せて、家に帰って続く第2編をTVで見て、第3編「無限列車編」を日曜日に見にいった形です。本当はお天気が回復した日曜日は下の娘のリクエストの東武動物公園か上の息子のリクエストの釣りに行き、鬼滅は来週にするつもりだったのですが、土曜の晩に息子がどうしてもと言い出したので行くことにしました。

しかし前日の夜の時点では、川口のアリオやイオンの川口、浦和美園、レイクタウンなどでは、全座席販売かつ1か所で3-4スクリーン同時放映にも関わらず夕方まで満席で、何とか三郷のMOVIXで朝9時上映開始の席が見つかりました。TOHOシネマズ新宿では初日の16日に全12スクリーン中、11スクリーンで上映されたそうで、当初3日間で興行収入46億円というのも頷けます。国内映画館の1日の興行収入として歴代1位を記録したそうです。急遽、行くことにしたのも、放映開始の金曜日に仲の良いお友達が幼稚園を終わってから見に行っていたみたいで、このままだと月曜日の幼稚園での話題についていけなくなるかもしれないと危惧したからでした。

小さなお子さんがいらっしゃらなければ、この鬼滅フィーバーは分かりにくいかもしれませんが、少年ジャンプに2016年から2020年まで連載、2019年のTVアニメ放映から人気に火が付いたそうです。鬼滅の刃の単行本の売れ行きは7月発売の21巻が300万部、10月発売の22巻で累計1億部を突破したそうです。よく街角で緑と黒の市松模様のマスクを目にすると思いますが、それは主人公炭次郎の衣装を模したものですが、そのうち主人公の妹、禰豆子を模して竹を咥えて歩く女性が街中に溢れかえることでしょう。

この話の人気の秘密は子供も大人も楽しめるところで、映画が終わった後のフードコートで、殆ど初めて見た家内がその魅力について熱く語っていました。息子と小職は水の呼吸を1から10まで言い合って、娘は禰豆子が可愛いくて仕方がないそうです。個人的には無情観というか無常観というか、人食い鬼に家族を食われ、その血を浴びて鬼にされ、その鬼を退治する鬼殺隊のメンバーが次々に倒れていく、最後に敵をやっつける爽快さと同時に、倒された鬼の人間時代の儚い過去など、人の生死とそのはかなさ、せつなさを描いていることが大人をも惹きつける魅力なのかもしれません。それにしても、鬼が人を食う、その鬼の首を人が斬るといった、およそ小さな子供に見せたくない不穏な映像が続く映画を、よくこれだけ多くの親子連れが見に来るものだと不思議にもなります。

暗号資産市場で不穏な動きと言えば、先日のOKExショックでしょう。同社が突然、秘密鍵の管理者が調査に協力して連絡が取れなくなったために出庫を停止したと報じられ、BTCが急落しました。一旦は戻したのですが、今度は中国メディアから同社創始者徐明星氏が中国公安の捜査に協力して連行されており、現在連絡がつかないと伝わり市場はショックを受けました。同交換所が発行するOKcoinは6ドルから4ドル台へ急落、OK groupの上場会社であるOKGテクノロジーホールディングの株価もHKD0.2から0.15へ下落しています。

本件はまだ詳細がよく分かっていませんが、折しも米当局から提訴され、米国内でCTOが拘束された暗号資産のデリバティブ大手のBitMEXとの共通点を考えざるを得ませんでした。即ち、BitMEXは本社をセイシェルに置き、証拠金倍率100倍を誇り、市場を牽引していましたが、米国で活動するライセンスを取らずに米国居住者にデリバティブ取引を提供した事、またKYCやAMLの不徹底を理由にNY南部地区連邦地方裁判所に提訴されました。OKExは、中国最古参の交換所として知られるOKcoinの子会社で、現在はマルタに本社を置いています。同社のHPで100以上の国で利用されているとしており、中国国内でも求人を行っています。先日、米司法省は米国人相手に商売しているならば米国の規制を適用するという方針を打ち出しました。こうした中、登記上の本社がセイシェルです、マルタです、ということで米国での規制を無視することが出来なくなりつつある訳です。中国当局が何を指摘するのか、しないのかはまだ分かりませんが、同国ももう見逃してくれなくなりつつあるのかもしれません。

昨年1月の日経新聞の記事によれば銀行界はAML/CFT関連の罰金で年2兆円課されているそうです。それと比べて、暗号資産業界のAML/CFTに対するアンテナは正直低いと感じる時があります。例えば、最近流行りのDeFiですがお世辞にもしっかりKYCを行っているとは言えません。FATFはDEXもVASP(暗号資産サービスプロバイダー)として規制対象だとしているのにです。この矛盾がどう着地するか見当がつきませんが、小規模の間はいいのですが、BitMEXの様に大きくなると、どこまでお目こぼしが続くか分かりません。
鬼滅の刃に戻ると、色々な言葉の面白さも人気の一つだと思います。鬼殺隊にも十干に基づく階級があり、最高位になると神様を数える単位である「柱」と呼ばれるのに対し、鬼はラスボスの鬼舞辻無惨の親衛隊として十二鬼月が存在し、強さによって上弦・下弦に分かれるとか。中でも鬼殺隊の必殺技、「全集中、水の呼吸、一の形、水面切り」というのは、今年の流行語大賞になるかもしれません。因みに我が家では子供たちの洗髪をする際に「全集中、水の呼吸」といって洗い流しています。

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