さようなら平成・・・


平成元年=1989年、日経平均株価は12月に38,915円へ上昇、バブル経済の絶頂期にありました。平成が始まった1989年1月8日(月曜)、その前週末1月6日、昭和最後の日のドル円は125円台半ばから126円台半ばで取引を終え、平成も126円台から取引が開始されました。その後、1月末には130円台、5月下旬には142円台へ上昇し6月15日には149円63銭まで上昇しました。その後、翌1990年(平成2年)3月に当時の大蔵省(現金融庁)が不動産融資に対する総量規制を実施、株式市場がバブル崩壊に向かう中、ドル円は150円台へ上昇、4月に160円20銭と平成の高値を付けました。

その後、バブル崩壊に伴い、日経平均株価は1992年3月に20,000円の大台を割り込み1992年8月には14,309円まで下落、その後、1993年5月に再び21,000円台を回復したもののその後も株安基調が続く中、ドル円は1995年4月に79円75銭まで下落しました。1996年6月に日経平均株価が22,666円まで反発、ドル円1998年8月に147円66銭まで円安が進みました。1998年10月にはロシア通貨危機が発生、ドル円は短時間におよそ10円の円高が進み、僅か3日間に20円ほど急激な円高に見舞われました。ドル円は101円09銭を下値に2002年1月に135円15銭まで上昇したものの、その年の9月に世界同時多発テロが発生、日経平均株価は10,000円の大台を割り込み、9,504円まで下落、ドル円は121円台から115円台へ下落しました。また、2008年にはリーマンショックが発生、ドル円は2008年9月19日の108円03銭からその年の12月17日に87円13銭まで円高が進行、3ヵ月間に21円近い円高に見舞われました。更に2011年3月の東日本大震災の発生の影響を受け、2011年10月にドル円は75円32銭まで円高が進みました。その後、アベノミクスによる緩和政策などにより過度な円高の是正につながりました。そのほか、ユーロの発足など様々な出来事は省略させていただくことをご了承ください。

平成の30年間、ドル円は160円20銭から75円32銭までおよそ85円の値幅で動いた時代が幕を降ろそうとしています。平成元年当時2.5%の日本の公定歩合はマイナス金利に低下、欧州でも低インフレ・低成長の長期化が懸念され、ECBの日銀化といった見方も聞かれます。またカナダでも当面の間利上げは凍結される見通しを示したほか、豪やNZでも年内の利下げ観測が燻る状況です。また、中国の成長率は平成元年当時4.2% 翌1990年の成長率は3.9% しかし1992年には14.3%と高成長を遂げた後、1999年には7.6%成長へ減速したものの2007年には再び14%台の高成長を回復しました。

平成最後となる4月30日、米ライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官らが北京を訪れ通商交渉を再開、また令和元年となる5月8日からワシントンで再度米中通商交渉を行う予定です。中国経済が量から質へと転換を図り、緩やかな回復を続けるか大きなカギとなるか注目です。

米中通商交渉が早ければ5月27日の米メモリアルデーにも合意、もしくは6月のG20前にも合意との観測も聞かれます。米中間の通商問題が解決し世界経済にとって共存共栄となれば、悲観的な見方も徐々に後退するかもしれません。さらに英EU離脱問題にメドが立つことになれば世界経済の懸念材料が一つ一つ取り除かれることになります。 

様々な争いごとや紛争、政治的問題が世界経済にとって良き方向へ向かう糸口を見つけ「令和」が穏やかな始まりでありますように・・・さようなら「平成」

検証 大型連休を前に・・・あの時、君は若かった?

今年のゴールデンウィークは『平成』から『令和』へ改元され長期の連休となります。
過去の連休期間中の動きを簡単に振り返って見ようと思います。




◇過去10年、円高傾向は5回、円安2回、横這い3回

過去10年、日本のゴールデンウィークを挟んだ4月25日から5月10日(休日の関係で不特定)の期間のドル円の値動きを検証、2012年(平成24年)11月14日に当時の民主党・野田首相と安倍自民党総裁との党首討論の場で16日に衆院解散の意思を明らかにし、12月の衆院選での自民党による政権奪回を経て、アベノミクス相場となり、4月の黒田日銀総裁の緩和政策を経て、それ以前とそれ以降の金融市場が大きく変化しました。
しかし、緩和効果も徐々に色褪せる中、米FRBの金融政策も昨年12月までの引締め政策が転換期を迎え、主要各国でも緩和政策が徐々に強まる結果となり、金利差縮小、低ボラティリティーの状況が続いています。


◇今年の大型連休を前後した主な注目イベントは?

4月25日 日銀政策会合  追加緩和政策の可能性に注目
4月26日 米1-3月期GDP速報値  景気減速懸念を払拭できるか注目
4月28日 スペイン総選挙 5月23日からの欧州議会選挙の行方を占う上で注目
4月29日 米3月個人消費支出、個人消費支出デフレーター FRBの注目するインフレ指標
4月30日 中国4月製造業PMI 3月の50.5から2ヵ月連続で好不況の節目50を上回るか
4月30日 ユーロ圏1-3月期GDP 欧州圏経済の減速懸念は?
5月01日 米4月ADP雇用統計 米4月ISM製造業景況指数  FOMC
5月02日 中国4月財新製造業PMI  英中銀政策委員会  英地方選挙
5月03日 ユーロ圏4月消費者物価指数
5月03日 米4月雇用統計  堅調な労働市場を確認することが出来るか注目
5月07日 豪中銀政策委員会
5月08日 NZ中銀政策委員会 利下げ観測の中、中銀の決定に注目


◇今年の大型連休中、新興国通貨の値動きに注意?

大型連休中のアジア時間、流動性が低下する中で新興国市場などが特に大きく振れる可能性があり注意が必要かもしれません。





(出所:SBILM)

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